June 19, 2016

機能ばかり

この頃の車のCMを見ていると、どうしてもある種の違和感みたいなものが拭えません。
それが何なのか考えてみたのですが、一昔前とは車の「売り」というかアピールする部分が違ってきているような気がするからではないか、と思いました。
従来の車の「売り」は、スタイルとかパワーとか、そういう面がとにかく一番だった気がしますが、この頃は、燃費や付加的な機能ばかりがアピールされているように感じます。
まあ時代の趨勢といえばそうなのかもしれませんが、燃費はともかく、付加的な機能なんて、そんなものが「売り」になるのってどうなの? と感じてしまいます。
たとえば、自動ブレーキだとか駐車アシストだとか、便利かもしれませんが、そもそもそんな機能が必要な人間は根本的に運転の適性に欠けているのだから、本来なら免許を与えてはいけない人たちです。
そしてそういう適性の無い人たちが土日の道路を引っ掻き回して要らぬ争いを発生させています。

確かに、自動車が最も元気だったイメージのあるバブル期の車と比べても、今の車は格段に進化しています。
性能はもちろんのこと、単純に、ナビとETC、そしてクルコン等は、本当に便利で、もう手放せません。
しかし、自動ブレーキだの駐車アシストだのとなると、本当に必要なのか? と思ってしまいます。
直近のニュースでは、ミラーもモニターになるのだとか、正直、正気の沙汰と思えません。
まさか完全にすべての鏡をモニターに置換するわけではないでしょうが、現在でもドアミラーを畳んだまま走っているアホが多くいるというのに、モニターなんかになったら、どうなることやら、という感じです。
モニターはモニターでも、バックモニターは確かに便利ですが、無いなら無いでバックくらいはできるし、昔から女の子が男の運転で格好いいと感じると言われている瞬間はバックの時ですから、モニターでしか下がれなくなると致命的です。
それにモニター類は、雨の日にほとんど使い物になりません。

とにかくこの頃では、車が売れない、軽しか売れない、と言われて久しいですが、そんなことは当たり前です。
たいして必要では無い機能を載せて値段を高く設定しているのだから、売れるはずがありません。
2リッター程度のミニバンが三百万越えとか、軽で二百万近いとか、昭和の人が聞いたら卒倒するだろう、という感じです。
それに、車はランニングコストがかかりすぎます。
だから、車本体の値段を下げ、税金だの保険だのをぐっと下げれば、車は売れます。

実際、たとえばアメリカの車の値段を知ると、日本の車の値段なんて、ナメてるのか? と感じると思います。
もちろんレートに左右される感覚ですが、日本車なんて、日本で買うより安く、「なかなかいいな」と思えるレベルのものなら、3万ドルから、せいぜい四万ドルくらいの予算でたいてい買えそうです。
あと少し出せば、インフィニティとかアキュラとか、手が届きます(個人的に「レ」は大嫌いなのでタダでも要りません)。
しかも日本車の場合、日本では売っていないモデルで結構格好良いものがあるので、車に関してはアメリカを羨ましく思います。

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